和泉手延長そうめん

和泉の製麺産業は、

「長そうめん」から生まれた

安城市特産品
200年程前の江戸時代中期からここ愛知県安城(あんじょう)市和泉(いずみ)町に伝わる“手延べ長そうめん”は、「和泉そうめん」と言われる程、昔から名物とされ、いまや全国的に多くの方々に親しまれているそうめんです。
製造工程
製造工程
由来
江戸時代の天明の飢饉(1782~1787)の頃、水利が悪く“麦”しか出来なかった和泉地区で、農民が貧困から逃れるために副業としてそうめん作りを覚え広まったとされています。一時は、和泉地区を中心に60~70軒も製麺所があったと言われています。今ではその軒数も減り、昔ながらの製法で長そうめんを作っているところは当製麺所を含め数軒となっています。
特徴

“日本一長い”手延べそうめん

「長そうめん」の“長”とは、約3m60cmもの長さまで伸ばして作り、3m以上の長いままを商品としていることを指しています。なぜ、約3m60cmも長いのか??昔、麺を伸ばす時に使う道具として木造家屋に使用される“貫”(ぬき:柱などに通す水平材のこと)と呼ばれる木材を用いたことからそうめんを長~く伸ばすようになりこの貫が昔の尺度で2間分(1間いっけん:約1m80cm)あったことから日本一長いそうめんが出来上がりました。麺を長く延ばすと小麦に含まれているタンパク質成分である“グルテン”の並びが麺生地のなかで均一になることにより「長そうめん」独特のモチモチとした強いコシとなるのです。そのため今も変わらず、1連1連(1れん:2本の竹の棒にかかった麺生地の単位)丁寧に真心込めて3.6mもの長~いそうめんを作っています。

珍しい!希少の【半生麺】のそうめん

そうめんは乾麺が主流ですが、「和泉手延長そうめん」は【半生麺】です。
一度乾燥させたそうめんを、梅雨から夏にかけ三河湾の方から湿った風が吹くその「そうめん風(かぜ)」を使って水分を含んだやわらかい状態にもどす“半生もどし”製法で作ります。一度乾燥させているので日持ちもします!麺がやわらかくなることで麺の表面も滑らかになり、ツルツルの喉越しになります!!

“夏”に作る手延そうめん

多くのそうめん産地は冬に作りますが、「和泉手延長そうめん」は夏に作ります。
上記の≪由来≫にあるように小麦農家が副業として収穫を終えた夏に「そうめん」を作り始めた起源をそのままに今も“夏”に「そうめん」を作っています。この伝統的かつ独特の「手延べ製法」で生まれるモチモチしたコシとこの“半生もどし”による生麺のようなモチモチ感とダブルで麺の美味しさを引き出しています。間杉手延製麺所では、毎年夏場は深夜2時から作業を始めています。
昔と変わらぬ伝統技法で作られる「和泉手延長そうめん」ぜひ、ご賞味ください。