“手延べ”と“手打ち”の違い

“日本一長く延ばす”こと、“半生麺”であることから、
当製麺所の「和泉手延長そうめん」は
他のそうめんにはない独特のツルッツルの喉越しと口当たり、モチモチっとした強いコシがあります。
手延べ製法
は、小麦粉に食塩と水を混ぜてよく練り、麺生地の表面に植物油を塗布し(生地を乾燥から守る為)麺に縒り(より)をかけながら生地を引き伸ばしていく方法です。
麺を引き伸ばすには、麺が伸びる状態になるまで時間をおき麺を熟成させます。
熟成させた麺は、生地に無理なく伸びてくれます。まだ熟成されていない状態で伸ばしても伸びてくれませんし、無理に伸ばすと麺が切れてしまいます。そして、一度に長くも伸びてはくれません。ある程度の長さまでしか伸びないので、伸ばしては麺を休ませ、また伸ばして・・・と、この工程を何度か繰り返して麺を長く伸ばしていきます。麺を伸ばすことで、弾力のあるコシが生まれます。
ではなぜ、なぜ麺生地を伸ばしてもきれないのか
それは、小麦粉の性質のおかげです。
小麦粉には、デンプンのほかに“グリアジン”と“グルテニン”という2種類のタンパク質がふくまれています。この2つのタンパク質が水と混ざると【グルテン】という複合タンパク質になります。この【グルテン】が網の目状につながって生地の骨組みになっています。それがゴムのような弾力となり、ある程度までよく伸びるようになります。
手打ち製法は、練った生地を麺棒などで薄く伸ばし包丁で適当な太さに切ることで麺を形成して作ることをいいます。このとき、【グルテン】の網の目状のつながりを断ち切ることから“しこしこ”という食感が生まれていると考えられています。
麺の美味しさは小麦粉の成分【デンプン】がツルツルの口当たり、喉越しを生み出し【グルテン】が麺の粘りと弾力=コシを作ることで出来ているのです。